2015年11月05日

書籍『故人サイト』、12月出版決定!

故人サイト・プレ画像 編集を担当していただいたハマザキさんの告知のとおり、2015年12月中旬に社会評論社から書籍が刊行されます。タイトルは『故人サイト 亡くなった人が残していったホームページ達』です。

 亡くなった人がインターネットに残していったメッセージやログを追跡した本でして、本編でとりあげた103事例の多くが書き下ろしです(「死後のインターネット」や「死とインターネット」で紹介した事例もいくつか改変して収録しています)。ぜひお手にとってください。

 私がなぜこの本を書いたのか。それは本書の「はじめに」で述べているので、「続きを読む」以下に抜粋させていただきます。ご興味のある方はお読みください。

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 インターネットは亡くなった人の日記や会話ががそのまま残ることがある。この事実を疑ったり、いま初めて聞いたと驚いたりする人はあまり多くはないだろう。そういうページの存在も認めつつ、あまり積極的には立ち入らないようにしている人がほとんどではないだろうか。気兼ねなく楽しむ対象にはなりにくいし、何より興味本位でアクセス履歴を残すのは失礼に思える。それに深く読み込むと、現実に裏打ちされた死への恐怖に襲われるかもしれない。

 ただ、だからといって腫れ物のように扱うのはもったいないのではないか。

 生の終わりを意識しながら闘病を続けた人のブログには、当事者でないと書けない真実の心理がありのままに残されていることがある。事故や突然の体調変化などで死の予兆を感じずに亡くなった人のSNSページのなかには、生前と死後の境界にあるギャップがこれもまたリアルに刻まれているものがある。没後に家族や友人がコメント欄に残した哀悼の言葉から故人の人となりを読み取れるページもある。どんな形状で残り、背景にどんなシチュエーションがあるにせよ、亡くなった人のサイト=「故人サイト」は、そうした生死にまつわる濃厚な情報を宿していることが多い。

 数十年前ならごく身近な人しか触れられなかった領域だ。それがインターネット上で世界に向けて公開されている。人間関係を無視してそこに何か書き込むのは明らかに過ぎた行為だが、読者に徹して訪れ、何かを学びとろうとすることは悪いことではないだろう。
 
 私がそう思い至ったのは5年前。以来ライフワークと位置づけて、亡くなった人のサイトを拝見してはカテゴリ分けでしてリストアップする作業に取り組み、これまで4桁の「故人サイト」に触れてきた。本書では、そのなかでも印象的なサイト、多くの類例があるなかで典型となるサイトを僭越ながら選抜し、概要をまとめさせてもらっている。

 インターネットが世間一般に普及してすでに一世代分の時間が流れている。その間に書き手の人生から離れ、いまもどこかに漂っていたり、誰かに管理されたりして残っている「故人サイト」。そこに宿るリアルな生死の一端でも本書から感じ取ってもらえれば幸いだ。

死はインターネットで学べる。
知ることは後ろめたいことではない。
大切にするということは、腫れ物扱いすることではない。


――心からそう思うのです。

posted by 古田雄介 at 17:11 | Comment(2) | TrackBack(0) | 発信報告 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
買いたいのですがamazonで取り扱い予定はあるかわかりますか?
キンドルなど持っていないのですが電子書籍のみでしょうか?
Posted by yuu at 2015年12月01日 10:04
>yuuさん
ありがとうございます!
現在のところ、紙の本のみの刊行を予定しています。amazonでももうじき取り扱いが始まると思いますので、しばしお待ちください。
Posted by 古田雄介 at 2015年12月01日 10:27
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