2009年10月17日

確信犯の将来に注目中

 最近、パソコン通信時代のネット文化を調べているんですけど、当時のちょっとフランクな関連本を読むと、文中に「ミカカ料(NTTに支払う通話料金)」とか「げろげろ(感嘆詞)」とかが普通に使われていて興味深いです。パソコン通信が流行ったのは1980年代後半から1990年代前半にかけて。わずか15〜20年の間に膨大な数の言葉が死んでいったんだなあと、しみじみしてきます。

 流行語はピークを越えると途端にダサくなるので、死ぬのが早いですね。ネットが普及したあとは、生まれて死ぬまでのサイクルが加速している気がします。いっぽうで、いわゆる「放送禁止用語」と呼ばれる言葉は、「大人たちが勝手に作ったルールなんてくそ食らえ」というロック魂をかき立てることもあってか、意外と息が長かったりします。特に今はネットがあるから、会話に織り交ぜるだけでなく、「キ○ガイ」「既知外」とかボカしながら文字として延命しているパターンも多く、なかなか長寿だと思います。

 そんな感じで、ネットが言葉の寿命に大きな影響を与えているんじゃないかと考えているわけです。それを踏まえて、僕がちょっと注目しているのは「確信犯」という言葉です。

 確信犯は、「世の中が間違っているから、俺が正義の鉄槌を下してやる!」って感じで、自分の正義を確信している犯罪や犯罪者を指します。だけど、「計算し尽くして、自分に都合のいい結果を出すズル賢い人」っていう、悪意を確信している側の意味で使う人がけっこう多いですよね。そして、ネットで後者の使い方をすると、かなりの高確率で「それ誤用ですよ!」と注意する人が登場します。

 ちょっと昔だったら、誤用しても不特定多数の目に触れる機会は滅多にないし、指摘を受けることもまれだったでしょう。実際、「(話の)さわり」とか「すさまじい」とか、誤用や解釈の変化から、新しい意味を持ってリニューアルした言葉はたくさんあります。「確信犯」はそういう変化を遂げる可能性が高い“リニューアル特待生”と勝手に思っているんですよ。

 誤用が逐一指摘されるネット全盛の現代社会で、はたして本当にリニューアルは可能なのか。逆に、誤用を恐れて避けられるようになり死語になってしまうのか。30年後の広辞林に載っているのか。載っているなら、どんな解説がついているのか・・・・・・。特待生の将来を考えると、勝手にワクワクしてしまいます。

 ま、読者にどちらの意味で捉えられるか不安なため、ライターとしては使いたくないというのも本音です。だから、他人ごとのように突き放して観察していこうと決意しているしだいです。
posted by 古田雄介 at 09:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | 雑文、他 | 更新情報をチェックする
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